「プロモ未来ラボ」研究員ブログ

「プロモ未来ラボ」では、所属研究員たちが「気になる」・「知りたい」・
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掛け合わせ野菜、味じゃなくて見た目で勝負!

2019年7月1日

 掛け合わせ野菜って聞いたことありますか? 違う種類の野菜が掛け合わされて作られた新しい野菜のことです。トマトとジャガイモで『トムテト』、ヘチマとオクラで『ヘチオク』、ブロッコリーとケールで『アレッタ』などがありますが、有名なもので小松菜と青梗菜を掛け合わせてつくられた『べんり菜』、また山口県が開発し、最近注目を集める『はなっこりー』は、中国野菜のサイシンとブロッコリーからつくられました。

キャベツと大根の掛け合わせ野菜。奈良県の県営馬見丘陵公園で毎年3~4月頃に展示されています。

 世界各地で新野菜の開発が進んでいますが、そう簡単な話ではないようです。例えば、キャベツと大根を掛け合わせた『キャベコン』は、葉の部分はキャベツ、根の部分は大根でできています。『キャベコン』を開発したのは当時農林水産省中国農業試験場(現・近畿中国四国農業研究センター野菜部)の主任研究員であった井上昭司さん。キャベツの根こぶ病対策の一環として生み出されたのがはじまりです。栽培方法は大根の上にキャベツを接ぎ木するというシンプルなものですが、温度管理やタイミングが難しく、試行錯誤の連続だったとか。肝心のお味はと言うと、キャベツ部分はキャベツの、ダイコン部分はダイコンの味がするものの、市販のものよりは落ちるそう。ただ、見た目のインパクトは十分なので観賞用植物として人気を博しています。

 量産の難しさから、現在は展示されている植物園は限られていますが、奈良県の県営馬見丘陵公園では「植物の不思議さや可能性に興味を持ってもらいたい」という思いから毎年3~4月頃にかけて展示されています。

「プロモ未来ラボ」研究員:ひらりー